創業から5年〜6年経ったころに、靴(ブーツ)を作ったことがあります。ブーツを作るきっかけは、
アパレル業界とは全く関係のないところからでした。
実弟の知り合いにメキシコ在住の日本人の方(T氏)がいたのですが、その方は、メキシコボクシング業界で通訳兼マネージャーの
仕事をしている方で、日本で開催するボクシングの試合に出場するメキシコ選手を何回も日本に連れてきていました。
その時に、実弟から紹介してもらう機会があり交流がはじまったのですが、来日中に会うのは、試合会場がほとんどで、
たまに、時間が空いた時に食事をするくらいでした。
そんな時T氏が、「お兄さん、服のお仕事されてるのですよね?」
僕 「はい、そうなんですよ。2人でやってるんですよ。」
T氏 「革のブーツは、興味ありますか?」
僕 「革ですか?」
T氏 「はい、メキシコで手作業で作っているブーツなんです。裁断も、繋ぎ目を編み上げてるところも、全て手で」
そのほかにも、ブーツに使うソールは、使い終わった車のタイヤで作っているとか、いろいろ
説明をしてもらいました。
ぼくは、その時 『手作業で作っている』ことに凄く興味をもったので、T氏に「どんなブーツなのか現物を確認できますか?」と、
聞きました。
すると、T氏は「また数か月後に、日本に来るので、その時にお見せします。」と言ってくれました。
数か月後、T氏から『手作業で作ったブーツ』を見せていただきました。想像以上に、そのブーツは味のある逸品で
見た瞬間に「作りたい!」と思いましたが、ブーツ全体に、ビーズが装飾されていたので、
「このビーズがなかったら、もっといいのにな」と思い、T氏に、「このビーズを全部とってシンプルにしたいのですが、可能ですか?」と要望を出したらOKが出たのでその場でオーダーしました。